【映画】『8日で死んだ怪獣の12日の物語』と、『円盤が来た』『円盤が来ない』についての散文。
ごきげんよう、ドクオかつドッコイです。
今回は記事ではなく散文です。なぜなら特別伝えたいことがあるわけでもないから。長めのツイートだと思って見てもろて。
さて、タイトルの通り『8日で死んだ怪獣の12日の物語』という映画を観たのですが、これが中々僕好みで面白かったです。
あらすじとかは↑ここ↑見てください。同じページから1800円でオンライン視聴できます。
ここから先この映画のネタバレしまくるのであらすじ読んで見ようかなと思った方はまた今度。サヨナラ……
さて何から話そうかな。
『8日で死んだ怪獣の12日の物語』
やー面白かったです。僕がウルトラシリーズ好きだから面白かったって部分と映画そのものの面白かった部分があるとは思いますが。
ここからマジでツイッターみたいになっていきます。
世界
まず作品世界。かつてのウルトラマン達の戦いが(少なくとも作中人物の樋口真嗣さんの中では)実際に起こっていたようで。というのも、樋口さんは作中で「俺が生まれてすぐぐらいの頃、怪獣とか宇宙人がほぼ毎週出てた~」というような発言をします。で、樋口さんの誕生日は1965年、ウルトラQの放送開始は1966年なんです。つまりそういうこと……(?)
最近は怪獣も宇宙人も出現していない(最近もウルトラシリーズは放映されているのに)という発言もあったので、おそらくはウルトラマンメビウスとだいたい同じ……ウルトラマン80の最終回、マーゴドンを最後に怪獣災害が止んだ世界なのかもしれませんね。
そしてそんな世界の現在。COVID-19という久々に現れた「大怪獣」に人々は脅かされていました。
怪獣災害。それは地球を侵す人類への鉄槌か、乗り越えるべき試練か。
『8日怪獣』の中のカプセル怪獣
通販で卵を誰でも買えて、簡単に成長していくという「えっそれ大丈夫なん?」と思わなくもないアイテム。そこはかとないアヤしさにウルトラ味をちょっぴり感じたり。
作中で主人公の斎藤工が購入したカプセル怪獣は次々と姿を変えます。その中にいくつか明確にウルトラ怪獣の形をした形態があるのですが……
アギラ/ミクラス/ウインダム→グドン→ガッツ星人→ゼットン(?)→バルンガ(?)
……どんどん強くなってるよね?
ゼットン(?)としたところ、僕はゼットンにしか見えなかったんですけど作中ではそうは言われずデビルマンとか言われてました。どうなんだろう。
かのセブンを磔にした実績のある強豪・ガッツ星人の姿をとったのが不味かった、カプセル怪獣は警戒され、殺処分されてしまいます(これが8日目の出来事)。
しかしそう簡単には死なず、ゼットン(?)等様々な姿を経て最終的にカプセル怪獣が辿り着いた形は
マスク。
口に着けるやつ。
やっぱりカプセル怪獣は人間を助けるために(たとえ時間稼ぎにしかならないとしても)戦ってくれる存在だと、そういう感じでした。
僕このオチめちゃくちゃ好きなんですよね。何がいいって「もしかしたら、あなたのマスクも実は カプセル怪獣かもしれません。」っていうセリフです。この、ある意味使い古された形式のセリフ/ナレーションで締めるの、あまりにも好き……。
「マスク大事」「カプセル怪獣ありがとう」「感染予防に努めるみんなもヒーローだ」っていうシンプルなとこも大好きです(僕は基本的に子供向けコンテンツである特撮で子供に向けたまっすぐなメッセージとかを提示されると泣く人)。手洗いうがい、ちゃんとやろう。
ペロリンガ星人
なんとこの映画、 ペロリンガ星人が出演します(姿は映らず声も聞こえませんが)。
何者かってのはこれ見てね。原典エピソード(ウルトラセブン45話)が見たい人はまだ見ないでね。
なぜかカプセル怪獣同様通販で売られていたペロリンガ星人(侵略の一環だったりして)。彼は劇中で購入した女性をほだして?たぶらかして?ダメな地球(人類社会)を抜け出して綺麗な星の世界へ連れ出そうとします。まさしく、原典のペロリンガ星人と同じように……(『8日怪獣』の個体に侵略の意志があったかはわかりませんが)。
なんやかんやで結局女性を地球に残して星に帰るのですが、彼はその際に置き土産をしていきます。
Corona virus vaccineを。
今人類が一番欲しいものくれちゃったよ。
また、このコロナワクチンのプロップ、どう見ても怪獣カプセル(ウルトラセブンが持ってるやつ)と同じ形をしていました。いや記憶違いだったら申し訳ないんですけど……多分。これが合ってたとすれば、単なるファンサービスではなくカプセル怪獣けいかく的な意味での演出でしょう。KAIJU DEFEAT COVID!
怪獣映画
「大怪獣コロナ」という概念がこの『8日怪獣』含めた企画の発端らしいです。確かに。強大で簡単には倒せず、人間世界を脅かすというコロナウィルスはある種の怪獣であり、それと戦う人々を描いたこの映画は怪獣映画と言えるかも。
これは完全に持論ですが、怪獣映画は襲い来る怪獣災害を人々が乗り越えてこそだと思っています*1 。
もちろんですが、この映画の中で俗に言うコロナ禍は終結しません。大怪獣コロナとの戦いは現実の我々に引き継ぎって感じですね。
……ん、さっきワクチンくれた宇宙人おったな
あ
ペロリンガ星人がウルトラマンになってしまった~
未知の脅威相手に人間がギリギリまで頑張った時に現れて、助けてくれる宇宙人
ウルトラマンになっちゃった
『円盤が来た』
そんなペロリンガ星人が登場したウルトラセブンの第45話です。
あらすじはpixiv百科辞典とかにあるのでそっち見てもろて。
※ここからの話はほとんど『8日怪獣』関係なくなります。
ざっくり感想を言うと、ペロリンガ星人が去った後のフクシン青年が置かれた町工場の日常を示す風景、あれが意図的に汚く写されてる(ように感じた)のがウルトラマン……って感じ。
『狙われた町』と監督が同じであると聞いて納得しました。実相寺先生の描いたウルトラの世界は印象深いものが多いですね。
『円盤が来ない』
令和元年放送作品『ウルトラマンタイガ』の第6話です。
タイトル通り『円盤が来た』のオマージュというか続編と言うか……な感じのお話。
超あらすじ
『円盤が来た』で地球を去ったはずのペロリンガ星人(かもしれない人 明言はされていません)は、実は別次元の地球、タイガのいる世界に迷い込んで約50年間地球で孤独に暮らしていました。かつてのフクシン青年のように綺麗な星の世界へ帰ることを夢見ながら。
そして苦節50年にしてついにまたとないチャンスが訪れるのですが、「宇宙人が地球人と一緒に住める地球」という理想を掲げる佐々木カナという女性に感化されてか、ペロリンガ星人は母星に帰らず、地球に留まることを選ぶのでした。おしまい。
……この『ウルトラマンタイガ』、わりと社会派の作品だと僕は思っていて。全編通して「異星人の共生」というテーマ(理想)が根っこにある感じがします。そのことに気づくのも遅かったし『円盤が来た』も見ていなかったので、『円盤が来ない』は放映当時いまいちピンとこない話だったというのが率直な感想です。
『円盤が来た』を見てから見直して、やっとなんとなくわかりました。
地球は50年で変われたかな これから先50年で変われるかな
— ガシャド髑男 (@dokkoi0622) 2020年9月23日
同じ地球人のコミュニティの中に身を置きながらも、居場所の無さを感じていたフクシン青年。誰にも自分の言うことを信じてもらえず、孤独に50年生きてきたペロリンガ星人。いわゆるはぐれ者とかマイノリティみたいなヒトはいつの世にも存在します。
『円盤が来ない』でペロリンガ星人が星に帰らない、地球に留まるという選択ができたのは、佐々木カナという地球人がいたから。カナさんは自分から少しでも世界を変えられるように、と頑張る人です。じゃあ、僕たちはどうだろうか。これから先の地球では、いったいどうなるだろうか。もしまたペロリンガ星人のような宇宙人と出会ったら……どうするだろうか?
「タイガ、僕らの番だ!」
ってことで、ひとつ。
エンディング曲も流れたので今回はこのあたりで。サヨウナラ。
*1:一番好きなシーンは怪獣がドーーーンって出てきて街をバゴーーーーンドカーーーーンってぶっこわすシーンだけどね