#鬱田ドッコイ増刊号

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【散文】ちょっと泣いた、ウルトラマンブレーザー第6話「侵略のオーロラ」で。【アンバランスゾーン】

 

よう地球のみんな俺は鬱田

タイトルの通りです。

ちょっと泣いた理由をお話しします。

たぶん9月2日ぐらいまではYouTubeで該当話が無料配信から気になったら見てみてね。

https://youtu.be/4EiIIQ8G1sU

 

以下泣いた理由を話しますネタバレあり

 

【あらすじ(ネタバレ)】

機械には「人間にこき使われてて最悪」という負の感情がある、と認識しているカナン星人が、地球の機械を暴れさせる事件発生。

防衛チームのメカニック・ヤスノブ隊員はコインランドリーの乾燥機(私物じゃない)に「くるる」と名前をつけて話しかける習性があったが、その乾燥機もカナン星人の手で暴走しストレス発散を始めてしまったためもうショック。

なんやかんやあったがヤスノブは「機械に心があったとして、それは負の感情だけじゃない気がする」という熱い気持ちを持って叫び続け、結果機械(アースガロン)に助けられて命拾い。お騒がせなカナン星人はウルトラマンブレーザーに処刑されたのであった。めでたしめでたし。

………

服を脱ぐとムキムキなヤスノブ隊員とか防衛チームの微笑ましくもいいチームなやりとりとか見どころたくさんの名エピソードでした。

 

 

泣いたのはこのエピソードの一番最後。

誰よりも機械の仕組みをわかりつつ、誰よりも機械に心を仮想していたメカニックのヤスノブが、(視聴者の視点からしても)自分の叫びに応じて助けてくれたようにしか思えないアースガロンの動作を、「単なる誤動作かもしれない」と言うんですよね。

これによって、「この30分間どう見ても心があるように見えていた機械の作動も、全てバグった誤動作がたまたま人間の呼びかけと噛み合って見えてしまっただけかもしれない」という可能性が提示されているんですよ。

 

機械はたまに心がある "ように見える" 動きをすることがある。本エピソード中の機械の暴走も、怒ったり反逆したりしてる "ように見えてる" だけで、カナン星人が恣意的に操ってただけかもしんないですね。

 

ヤスノブの発言を受け、ゲント隊長は「(誤動作じゃない、)お前の声が届いたんだよ」と言い切って見せます。カッコいい。

そんなやりとりを見ていた古びた乾燥機・くるるは、誰にも触れられていないのにも関わらず、まるで会話を聞いていたかのように音を立てます。

ガコン、と。

これこそ単なる誤動作、偶然かもしれない。そんなことは大の大人である当のゲントとヤスノブが一番わかっているはずです。それでも2人は「聞こえてる?!」「くるる!」「くるる〜!」と乾燥機のくるるに呼びかけながら、甲斐甲斐しく掃除、もとい、お世話をするのでした。

 

(ここからちょっと泣いてる)

機械に心はあるのか。その真偽はわかりませんが、人間は機械に、道具に、心を見出すことができるんですよね。それは他ならぬ人間に心があるから。

 

そして今回のお話では、地球外から来たカナン星人という異分子によって「アンバランス」がもたらされ、機械たちが自我があるかのように動き出す「アンバランスゾーン」が私たちの目前に広がっていました。

ですが、カナン星人が倒され、そのアンバランスが排除された平常の世界でも、我々は生活のパートナーとなった機械たちに心を見出すことができるんです。それをヤスノブ隊員とくるるは教えてくれたのです。

 

……

えっと今僕2つの軸で泣いてて、上の2段落に微妙に繋がりがないのはそういうことなんですけど、えっと、

感動軸のひとつは「人間は機械に心を見出すことができる」ということの素晴らしさ。なんでそれが素晴らしくて嬉しくて涙が出て来るのかっていうのは僕にはうまく説明できませんごめん。そういうの説明するの得意そうな友達の心当たりは複数あるので彼らに任せましょう……。みんなも身の回りにある機械・道具たちのこと、大事に扱ってあげようね。

もうひとつの感動軸は、現実の延長線上にある「アンバランスゾーン」を見せてくれるウルトラシリーズの、「日常→アンバランス→日常」という「フィクションからの還元」みたいな構造への感動。なんでこれで泣くのかっていうのもうまくは説明できませんごめん。だってさあ、素晴らしいじゃん、これって。実際問題怪獣なんて出ない方がいいけど、人は何のために怪獣を生み出して、愛して育んで、ユニバースを広げてきたのかな。それは生きるためだって信じてるからね。

 

 

以上です。ここまで読めた人はいるのかな?読んでくれてたらありがとう。感動を届けてくれて、感動を共有する媒介にもなってくれたスマートフォンなんかにもありがとう。

 

またいつかどこかで会いましょう。

 

ヘロワッチ